サークル:おさかなの旗
『トゥリ─聖女は甘い煙に眠る─』は、北欧風の世界を舞台に、新種の麻薬を追う聖女トゥリの物語を描いたダークローグライクRPG。
薬物事件の調査から始まったはずが、プレイヤーの選択によってトゥリ自身が少しずつ裏社会へ染まっていく。
清廉な聖女として真相を追うのか。それとも目的のために一線を越えるのか。
探索・戦闘・堕落要素がしっかり絡み合った、雰囲気重視の作品となっている。
スラムに広がる甘い煙の正体を追え

親友の部屋で嗅いだ、甘い匂い。
その正体は、スラム街で流通し始めた新種の麻薬だった。
主人公のトゥリは街を探索し、住民への聞き込みや現場の調査を重ねながら事件の真相へ迫っていく。
エピソードごとに物語が進行する構成で、単純にダンジョンを攻略するだけでなく、どこを調べて誰と関わるかが展開に影響するのが特徴。
暗い北欧風の世界観と、徐々に危険な場所へ踏み込んでいくストーリーの相性もかなり良い。
善人のままでは進めない堕落システム

本作で特に目を引くのが「穢れ」のシステム。
暴力や犯罪、薬物への接触など、トゥリが道を踏み外す行動を取ることで、心と身体に穢れが蓄積していく。
穢れが深まるほど思考や行動が変化し、善良な人物が離れていく一方で、裏社会の人間との関係が強くなっていく。
ただ悪い選択肢を選ぶだけではなく、情報や金を手に入れるため、あえて危険な手段を使うかどうかを迫られるのが面白いところ。
清楚な聖女が少しずつ価値観を壊されていく過程が、ゲームシステムとして作り込まれている。
敗北イベントだけではない豊富な大人向け展開

特殊な敵との戦闘に敗北すると、専用の大人向けイベントが発生。
それ以外にも、街での調査や自由時間中の行動、選択肢によってさまざまなイベントが解放される。
単純な敗北回収型ではなく、トゥリの穢れ具合や進め方によって内容が変化するため、堕落ルートを自分で選んで進めている感覚が強い。
イベントCGは肉感的で、表情や汗、衣装の乱れまで細かく描かれている。
特に、最初は戸惑っていたトゥリが穢れの蓄積によって変化していく様子は、本作の大きな見どころとなっている。
4種類のビルドで戦い方が変化

戦闘では、敵を倒して入手したエーテルを使ってトゥリを育成する。
ビルドは以下の4種類。

- 狩猟
- 護身
- 貞淑
- 堕落
物理攻撃や防御を伸ばす正統派の構成だけでなく、穢れを利用した危険な戦い方も選択可能。
習得したスキルを組み合わせることで、自分好みの戦闘スタイルを作れる。
レベルを上げるだけのRPGではなく、どの能力を伸ばすかによって戦闘方法やトゥリの方向性まで変わるのが良い。
ダークな世界観と美しいUIが魅力

暗く落ち着いた画面デザインと、北欧ファンタジーらしい衣装や街並みが印象的。
メニューやステータス画面も作品の雰囲気に統一されており、同人ゲームとしてはかなり見栄えが良い。
トゥリの立ち絵も可愛らしく、清楚な姿と穢れていく姿の落差が大きい。
薬物、犯罪、暴力、堕落といった重い題材を扱いながらも、ヒロインの魅力をしっかり前面に出している。
アーリーアクセス版である点には注意

本作は現時点ではアーリーアクセス版。
今後のアップデートによって、ストーリーやイベントなどが追加される予定となっている。
購入済みユーザーに追加料金が発生する予定はないものの、内容追加に合わせて販売価格が上がる可能性がある。
現在のゲーム内容や操作感が合うか不安な場合は、購入前に体験版を試しておくのがおすすめ。
完成済みの大作を一気に遊びたい人より、今後の追加を楽しみながら追いかけたい人向けの作品となっている。
レビュー・総評
北欧風の重い世界観と、聖女が裏社会へ堕ちていく背徳的な展開がうまく組み合わされた作品。
探索や聞き込みで事件を追うだけでなく、プレイヤー自身の選択によってトゥリの人格や人間関係が変化するため、堕落ものとの相性がかなり良い。
育成も単純なレベル上げではなく、4種類のビルドから方向性を決められるため、RPGとしての遊びも用意されている。
まだアーリーアクセス段階ではあるものの、ビジュアル・UI・世界観はすでに高水準。
清楚な聖女の堕落、ダークファンタジー、選択肢による変化が好きなら期待できる一本。
こんな人におすすめ
- 清楚なヒロインの堕落が好き
- ダークファンタジーの重い世界観が好き
- 敗北イベントだけでなく自由な選択も楽しみたい
- 育成やビルド構築のあるRPGが好き
- アップデートされていく作品を早期から遊びたい
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